10.11. 管理データベースのバックアップと復元¶
ノード情報、統計情報、および設定は管理ノード(管理者パネルがあるノード)のデータベースに保存されます。このデータベースのバックアップは、午前3時に開始される日次cron
ジョブによって自動的に作成されます。管理ノードが高可用性でない場合、障害やデータベースの破損が発生したときはこのバックアップを復元することでノードをリカバリできます。バックアップファイルは/mnt/vstorage/webcp/backup/
ディレクトリに保存されます。管理ノードのバックアップの保持ポリシーは次のとおりです。
- 最後の日に作成されたすべてのバックアップが保持されます。
- 過去7日間に作成されたバックアップから、各日の最も新しいバックアップが保持されます。
- 過去7~14日間に作成されたバックアップから、最も古いバックアップが保持されます。
- 過去14~45日間に作成されたバックアップから、各週の最も古いバックアップが保持されます。
- 45日よりも古いバックアップは削除されます。
重要
管理ノードの高可用性が有効になっている場合、データベースのバックアップは復元できません。
データベースを手動でバックアップするには、[設定] > [管理ノード] > [バックアップ] 画面を開き、[今すぐバックアップ] をクリックします。

バックアップが完了したら、[最終バックアップ] の日付が更新されます。
警告
バックアップファイルの名前を変更しないでください。変更すると、そのファイルから管理データベースを復元できなくなります。
10.11.1. バックアップからの管理データベースの復元¶
管理ノードのデータベースは、同じ管理ノードまたはストレージクラスター内の任意のノードのバックアップから復元できます。
警告
ストレージクラスター内の1つのノードでvstorage-ui-backend
サービスが実行されている必要があります。管理ノードのデータベースを別のノードに復元する場合、前の管理ノードを再びデプロイする必要があります。
管理ノードデータベースを復元するノードで次のスクリプトを実行します。
# /usr/libexec/vstorage-ui-backend/bin/restore-management-node.sh \
-x <public_net_iface> -i <private_net_iface> \
-f /mnt/vstorage/webcp/backup/<backup_file>
<public_net_iface>
と<private_net_iface>
は、それぞれパブリックネットワークとプライベートネットワークが割り当てられたインターフェースです。必要に応じて、両方のパラメータで同じネットワークインターフェースを指定できます。-f
オプションを省略した場合、管理ノードのデータベースは最後のバックアップから復元されます。
管理者パネルにアクセスするときは、復元された管理ノードデータベースのあるノードのパブリックIPアドレスを使用します。
10.11.1.1. 既存の計算クラスターがある場合の復元¶
計算クラスターをデプロイしている場合、管理ノードのデータベースは計算ノードのいずれかのノードにのみ復元する必要があります。
計算クラスターがある場合に管理ノードデータベースを復元するときは、次の制限事項に注意してください。
- バックアップ後に計算オブジェクトを作成している場合、そのオブジェクトは失われます。
- バックアップ後に計算オブジェクトを変更または削除した場合、そのオブジェクトは次のように復元されます。
- 設定として使用されている計算オブジェクト(フレーバー、ストレージポリシー、仮想ネットワーク、SSHキー)は完全に復元されます。
- 他のすべての計算オブジェクト(VM、ボリューム、イメージなど)は部分的に復元されます。これらは管理者パネルに表示されますが、使用できません。これらは管理者パネルから削除できるだけです。
管理ノードデータベースを計算ノードに復元するには、-n
オプションを指定して復元スクリプトを実行します。
# /usr/libexec/vstorage-ui-backend/bin/restore-management-node.sh \
-x <public_net_iface> -i <private_net_iface> -n
ここで、
<public_net_iface>
と<private_net_iface>
は、それぞれパブリックネットワークとプライベートネットワークが割り当てられたインターフェースです。- 最後のバックアップから管理ノードデータベースを復元するには、
-f
オプションを省略します。 -n
オプションにより、計算クラスターが別の管理ノードを使用するよう、再構成されることを指定します。
管理ノードデータベースを同じノードに復元するには、-n
オプションを省略します。
復元後、障害の発生した管理ノードに配置されていた仮想マシンは管理者パネルで管理できなくなり、削除のみ実行できます。ただし、vinfra
ツールを使用してレスキューできます。以下の手順を実行します。
- 高可用性が無効のVMは「アクティブ」状態で表示されます。
vinfra service compute server evacuate
コマンドを使用して退避します。 - 高可用性が有効のVMは「再構築」状態で表示されます。最初に
vinfra service compute server reset-state
コマンドを使用して状態をリセットしてから、vinfra service compute server evacuate
を実行して退避します。