2. Acronis Cyber Infrastructureのバージョン情報¶
以前Acronis StorageやAcronis Software-Defined Infrastructure(SDI)と呼ばれていたAcronis Cyber Infrastructureは、ストレージ、計算、およびネットワークリソースを企業やサービスプロバイダーに提供するハイパーコンヴァージドソリューションであり、以下のことが可能です。
- 企業データ用にファイルストレージ、アプリケーションやクラウドサービス用にS3オブジェクトストレージ、iSCSIターゲットがある実行中の仮想マシンやデータベース用にブロックストレージを提供する
- ディザスタリカバリソリューションのあるプライベートクラウドまたはパブリッククラウドを構築して管理する
- Acronis Cyber Protectionソリューションのバックアップをオンプレミス、パブリッククラウド、またはNASに保存する
- 仮想マシンおよびソフトウェア定義ネットワークを作成して管理する
- Kubernetes as a Service、Load Balancer as a Service、Persistent Storage for Kubernetesなどのクラウドネイティブアプリケーションを本番環境で実行する
- 基幹業務アプリケーションの高可用性を確保する
Acronis Cyber Infrastructureをベアメタルサーバーにインストールすることによってベアメタルサーバーは1つのクラスターに統合され、そのクラスターは、ディスクやノードを追加することで簡単に拡張できます。クラスターの管理は、可用性の高いWebベースの管理者パネルやコマンドラインで行います。管理者パネルでは、ストレージと計算のクラスター、およびネットワークを広範囲に監視できます。概要のダッシュボードはPrometheus、Grafana、SNMP、およびZabbixと統合されており、インフラストラクチャの状態を把握できます。さらに、アラートシステムによって構成の間違い、障害、その他の問題が常に管理者に通知されます。
クラスタリングは、レプリケーションおよびイレージャーコーディングによるデータ損失の防止に役立ちます。高可用性が確保されており、クラスターとサービスに単一障害点がありません。Acronis Cyber Infrastructureクラスターには自己回復機能があり、ノードまたはディスクに障害が発生した場合、クラスターは失われたデータを自動的に復元しようとします。また、無停止ローリングアップデートによって、ノードの更新時でもデータの使用が可能です。ノードのメンテナンス時やHotfixの適用時には、ワークロードが他の使用可能なノードに移行されます。
2.1. ソフトウェア定義ストレージ¶
ストレージクラスターでは、イレージャーコーディング、統合SSD キャッシュ、自動ロードバランシング、およびRDMA/InfiniBandのサポートによって、ハードウェアを最も効率的に使用できます。クラスターの領域は以下で使用できます。
- iSCSIブロックストレージ(ホットデータと仮想マシン)
- S3オブジェクトストレージ(Acronis Notaryブロックチェーンとデータセンター間のジオレプリケーションで保護)
- ファイルストレージ(NFS)
さらに、Acronis Cyber InfrastructureはAcronis Cyber Protectionソリューションと統合されており、バックアップをクラスターに保存したり、クラウドサービス(Google Cloud、Microsoft Azure、AWS S3など)に送信したり、NFSプロトコルを使用してNASに保存したりできます。ジオレプリケーションは、別々のストレージバックエンド(ローカルストレージクラスター、NFS共有、パブリッククラウド)でセットアップしたBackup Gatewayで使用できます。
データストレージポリシーはさまざまなユースケースに合わせてカスタマイズが可能で、各データボリュームに特定の冗長モード、ストレージティア、および障害ドメインを設定できます。また、データはAES-256標準で暗号化できます。
2.2. ソフトウェア定義の計算¶
計算クラスターでは、仮想マシンとソフトウェア定義ネットワークの仮想環境を管理できます。Acronis Cyber Infrastructureでは、仮想マシンはオープンソースの技術に基づいていおり、WindowsゲストとLinuxゲストの両方を実行できます。可用性が高く、ダウンタイムなしのライブで移行することもできます。また、VMボリュームのスナップショットはアプリケーションに関して一貫性があります。
Acronis Cyber Infrastructureでは、Kubernetes as a Service、Load Balancer as a Service、およびアカウント計算リソースの測定で計算リソースを最も効率的に使用できます。仮想マシンに領域を割り当てて、別々の冗長モードを選択するには、ストレージポリシーをVMボリュームに適用します。ストレージポリシーでは、VMディスクのパフォーマンスレベルを予測どおりにするために、帯域幅とIOPSを制限することもできます。また、ワークロードをノード間で分散するために、ノードの特性に基づいて仮想マシンを配置することができます。
Acronis Cyber Infrastructureでは、管理者は複数のドメイン、テナント、およびユーザーを作成して、テナントの量に応じてリソースを割り当てることができます。また、ホワイトラベルを使用して、独自のパブリックまたはプライベートのクラウドストレージソリューションを構築できます。その上、計算リソースの独立したエンドユーザーは、それぞれ独自のセルフサービスポータルに分離され、安全です。
2.3. ソフトウェア定義ネットワーク¶
Acronis Cyber Infrastructureでは、VXLANカプセル化の使用により、仮想マシンのために安全で分離された仮想ネットワークが用意されています。分散仮想スイッチとルーティングによってVMのネットワーク構成が簡素化され、ビルトインファイアウォールによって安全性が強化されています。統合されたDHCP、IP、およびDNS管理によって、ネットワークの構成が強化されています。