6.9. Backup Gatewayのジオレプリケーションの管理

Acronis Cyber Infrastructureでは、クラウド管理パネルに登録されている2つのデータセンター(地理的に分散しているデータセンター)の間のBackup Gatewayレプリケーションを有効にできます。そのようにすれば、プライマリデータセンターで障害が発生した場合でもバックアップデータを保護できます。別々のストレージバックエンド(ローカルストレージクラスター、NFS共有、パブリッククラウド)でセットアップしたBackup Gatewayでも、ジオレプリケーションを有効にできます。

ジオレプリケーションを正常に実行するには、以下の要件を満たす必要があります。

  • バックアップゲートウェイを備えたストレージクラスター2つがデプロイされます。
  • ストレージクラスターはすべて最新バージョンに更新されます。
  • ストレージクラスターはすべてクラウド管理パネルに登録されます。
  • ストレージクラスターはすべてTCPポート44445のドメイン名を介し相互接続可能です。

6.9.1. ジオレプリケーションの有効化

2つのストレージクラスター(プライマリとセカンダリ)の間のジオレプリケーションをセットアップするには、次の手順を実行します。

  1. セカンダリとして設定するクラスターで、[FQDN] フィールドと [UID] フィールドの横にあるコピーアイコンをクリックして、FQDNとUIDをクリップボードにコピーします。

    ../_images/backup_geo-replication1_ac.png
  2. プライマリとして設定するクラスターで、[レプリケーションを設定] をクリックし、[レプリケーションを設定] ウィンドウで以下のようにします。

    1. セカンダリクラスターのFQDNとUIDをそれぞれ対応するフィールドに貼り付けます。
    2. [設定ファイルをダウンロード] をクリックして、プライマリクラスターの設定ファイルをローカルサーバーにダウンロードします。
    3. [完了] をクリックします。
    ../_images/backup_geo-replication2_ac.png

    プライマリクラスターが設定され、セカンダリクラスターに接続するための準備ができた状態になります。次にその接続を設定します。

  3. セカンダリクラスターで、[レプリケーションを設定] をクリックし、[レプリケーションを設定] ウィンドウで以下の手順を実行します。

    1. [セカンダリクラスター] 設定タイプを選択します。
    2. ローカルサーバーからプライマリクラスターの設定ファイルをアップロードします。
    3. [完了] をクリックします。
    ../_images/backup_geo-replication3_ac.png

    これでセカンダリクラスターも設定され、プライマリクラスターに接続するための準備ができた状態になります。

    セカンダリクラスターの設定後に何かの理由でプライマリクラスターの設定を変更しなければならない場合は、新しい設定をダウンロードし、[構成ファイル] フィールドの横にあるアップロードアイコンをクリックしてセカンダリクラスターにアップロードします。ただしその前に、プライマリクラスターのUIDが変更されていないことを確認してください。

  4. プライマリクラスターで [接続] をクリックして、2つのデータセンターの間のレプリケーションを有効にします。

    ../_images/backup_geo-replication4_ac.png

6.9.2. フェールオーバーの実行

プライマリクラスターが使用不可になった場合は、セカンダリクラスターをプライマリにプロモートすることによって手動フェールオーバーを実行できます。この操作を実行すると、セカンダリクラスターの設定(FQDNなど)がプライマリクラスターの設定に切り替わります。以下の状況でプライマリクラスターのフェールオーバーを実行できます。

  • 現在のプライマリクラスターは全く稼働しておらず、インターネットとバックアップエージェントから隔離されています。
  • バックアップエージェントから現在のプライマリクラスターとの通信ができません。
  • プライマリクラスターのFQDNがIPアドレスに再設定されています。

警告

セカンダリクラスターをプライマリにプロモートする操作は元に戻せません。プライマリクラスターにあるすべてのデータが無効になります。使用は緊急時に限定してください。

フェールオーバーを実行するには、セカンダリクラスターで [プライマリにプロモート] をクリックし、確認ウィンドウで [フェールオーバー] をクリックします。

../_images/backup_geo-replication5_ac.png

現在のプライマリクラスターがまだ稼働している場合は、まずBackup Gatewayからすべてのノードを強制的にリリースしてから、フェールオーバーを実行してください。

6.9.3. ジオレプリケーション設定の更新

Backup Gatewayの証明書を1年に1度更新する必要があります。証明書を更新するとクラスター設定が変更されるので、ジオレプリケーション設定の更新が必要になります。以下の手順を実行します。

  1. プライマリクラスターで証明書を更新します(Backup Gatewayの証明書の更新を参照)
  2. プライマリクラスターで、[設定ファイルをダウンロード] をクリックして、新しい設定をローカルサーバーにダウンロードします。
  3. セカンダリクラスターで、[構成ファイル] フィールドの横にあるアップロードアイコンをクリックして、新しい設定をセカンダリクラスターにアップロードします。

6.9.4. ジオレプリケーションの無効化

ジオレプリケーションを無効にするには、プライマリクラスターで[レプリケーションを無効化] をクリックします。ジオレプリケーション設定からセカンダリクラスターを削除するには、Backup Gatewayからセカンダリクラスターのすべてのノードをリリースします(Backup Gatewayからのノードのリリースを参照)。

../_images/backup_geo-replication6_ac.png