2.8. ストレージティアについて

Acronis Cyber Infrastructureの用語では、ティアは、基準に基づいてストレージワークロードを整理するために使用できるディスクグループです。たとえば、ティアを使用して、異なるテナントによって生成されたワークロードを分離できます。サービスまたは仮想環境のワークロード向けに高速SSDのティアを作成したり、バックアップストレージ向けに大容量HDDのティアを作成したりすることもできます。

ディスクをティアに割り当てるときには(割り当てはいつでもできます)、速いストレージドライブを上位のティアに割り当てるように注意してください。たとえば、バックアップやその他のコールドデータ(SSDキャッシュなしのCS)にティア0を使用し、大量のコールドデータがあるが、高速ランダム書き込みが行われる仮想環境(SSDキャッシュありのCS)にティア1を使用し、ホットデータ(SSD上のCS)、キャッシュ、特定のディスクなどにティア2を使用します。

この推奨事項は、Acronis Cyber Infrastructureによる記憶域スペースの使用方法に関係しています。ストレージティアの空き領域がなくなった場合、Acronis Cyber Infrastructureは、最下位のティアまでそのティアよりも下位のティアの領域を一時的に使用しようとします。最下位のティアの空き領域もなくなった場合、Acronis Cyber Infrastructureは上位のティアを使用しようとします。後で元のティアにストレージを追加した場合、一時的に他の場所に保存されていたデータは、本来保存されるべきティアに移動します。たとえば、データをティア2に書き込もうとして、ティア2に空き領域がなかった場合、Acronis Cyber Infrastructureはティア1、次にティア0にデータを書き込もうとします。後でティア2にストレージを追加すると、ティア1または0に保存されている前述のデータは、本来保存されるべき場所であるティア2に移動します。

ティア間のデータ割り当てと元のティアへのデータ転送は、バックグラウンドで行われます。このようなマイグレーションを無効にして、ティアを厳密に維持することができます(:doc:『管理者コマンドラインガイド<admins_cmd_guide:index>』を参照してください)。

注釈

領域が不足している状況を除き、ティア間のデータの自動移行はサポートされていません。